最近、過重労働やサービス残業、実際就職してみたら就業条件と違ったなど、いわゆる『ブラック企業』と言われる会社の存在が注目されるようになってきました。

また、そのような会社を相手に訴訟を起こす事例なども増えてきており、新聞やテレビで頻繁に取り上げられているように思います。

実は私も『ブラック企業』で働いていた経験者のひとり。

 

今回はブラック企業に勤めていた当時の話と、残業代未払金請求をした経緯や結果についてお話したいと思います。

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ブラック企業とは?

『ブラック企業』を簡単に説明するならば、「違法労働をさせている会社」と言い換えることができるでしょう。

私が以前働いていた“ブラック企業”のポイントをまとめてみました。

 

残業代ゼロ

社長は最初から残業代を1円も払う気がなかったため、会社にはタイムカードや出退勤時間を記入するファイルなども一切存在しません。

ネットに掲載されている求人には「フレックスタイム制導入」的なことが書いてありましたが、そんな自由なことは一切許されない会社でした。

周囲の目を気にする、かなり見栄を張る社長だったので、サイトの求人広告には嘘ばかりが目立ちました(笑)

 

過重労働は当たり前

私の場合、就業時間の2時間前に出勤し仕事を始め、就業時間後は5時間の残業というパターンがほとんどでした。

ですので、1日7時間の残業ということになりますね。

残業が少ない日でも5時間はやっていたので、完全に過重労働になります。

多い月で130~140時間は残業していた感じですね。

先ほども言いましたが、全てサービス残業です(笑)

 

キャパを超える仕事量

例えば、労働基準法で定められている1日8時間という時間内に終わす目処が立つような仕事量であれば、理解できます。

そうであるとするならば、30分や1時間のサービス残業(正確にはダメですが)なら仕方ないと思うかもしれません。

ですが、1日13~15時間も働かないと終わらないというのは、明らかに容量を超えています。

しかもこれが毎日です。

 

社長はそれでも仕事量ばかりをどんどん増やし、1人あたりの社員の負担は日に日に増していきました。

残業代は支払われないので、労働時間や仕事量が増えたところで、会社や社長は全く損をしません。

この“残業代ゼロ”のおかげで、会社の純利益だけが上がっていく仕組みが確率されていきました。

 

有給休暇が取れない

有給休暇は、フルタイム勤務なら半年勤めた時点で、年に10日間取得できることが法律で決まっています。

私は有給休暇を取得できるほど会社に在籍しなかったので、この点に関して特に被害はなかったのですが、数年勤務していた社員が退職するにあたり、有給休暇を消化しようと社長に相談した際「うちは小さい会社だから休まれると困る」という意味不明な理由で拒否されたそうです。

ちなみにその社員は、それまで有給休暇を1日も取得しておらず・・・。

いや、正しくは「取得できなかった」と言うべきでしょう。

 

仕事量が増えたとしても、それに比例して社員を増やすという考え方は会社にないらしく、アシスタントや代替のスタッフはいませんでした。

要するに、体調が悪くても休めなかったんですね。

他の社員も同様で、みんな熱があっても、意識がほとんどない状態でも、頑張って出勤してました・・・。

 

日常的なパワハラ

社長は、気に入らない社員に対してもの凄く恫喝する人でした。

標的になっていた社員もほどなくして辞めましたが、明確な理由もなく怒鳴られたり、全社員の前でミスしたことを攻められたり、見ているのも辛かったです。

そのため、社員の士気もだだ下がりでした・・・。

 

退職させてくれない

これ、本当に厄介です!

私が入社した時、すでに2人の社員の退職が決まっていたのですが、1人は退職を告げてから実際に辞めるまで半年以上、もう1人は1年かかったとのこと。

転職先が決まっていようと何だろうと、全く関係がないんでしょうね。

 

そんな会社ですから、「事故にあった」とバレバレな嘘をついて辞めた社員も実際いたようです。

まあ、道理が通用しない会社なので、強行突破しか方法はないと思ったんでしょう。

 

法的には最低でも2週間前に退職届を出せば良いことになっているようです。

会社側が退職を拒否すること自体が違法。

就業規則によっては“1ヶ月前まで申し出ること”となっている会社も多いようなので、事前に確認しておくと良いでしょう。

 

うつ病の発症

1日5~7時間の残業地獄は、入社してすぐの頃から始まりました。

とりあえず、退職する社員の引き継ぎ作業がメインだったのですが、消化する前に新しいことを詰め込まなければならず、毎日がパニック状態。

 

元々、“半年ほど誰かの補佐として業務を覚えた後に独り立ち”という話のはずが、それもうやむやにされ、結局数カ月後には完全メインでやらなければならない状況に。

そのプレッシャーに加え、膨大な業務量、終電帰りで日々の睡眠時間は3時間、食事は1日1回なんてことも多々あり、私はどんどん自分らしさを失っていきました。

 

入社して1ヶ月が過ぎた頃から、休日でさえも仕事のことが頭から離れず、まるで24時間支配されているような気持ちになっていました。

寝ていないせいか頭の回転も悪くなっていき、簡単なことも記憶できなくなったり、ノートのどこに何のメモを取ったのかすら分からなくなる始末。

 

入社して2ヶ月目くらいだったと思いますが、その頃からちょっと注意されただけでも涙が出て、止まらなくなるようになりました。

私は昔から人前で泣くのが嫌いなタイプで、どんなに悔しくても“他人の前で涙を流す”なんてことはなかったのですが、もはやコントロールは不可能。

とは言っても、“職場で大人が泣く”ということに耐えられず、毎日大きなマスクをして泣き顔を必死に隠していました。

また、鼻をかむと泣いているのがバレると思い、「限界まで我慢してからトイレでかむ作戦」を遂行していたのもこの頃です(笑)

 

そんなこんなで体重は激減。

ちょうど実家に帰省したタイミングで、家族が社長に直接電話をし、退職させてくれるように交渉。

自分としては「辞めたいけど辞められない」という気持ちが強く、どうしたら良いか分からない状態でしたが、最終的には家族のおかげで辞めることができました。

 

しばらく実家で休養していましたが、気分の落ち込みが酷く、特に朝起きた瞬間の絶望感は説明しがたいほど。

仕事は辞めたはずなのに、毎日がとにかく不安で何もする気が起きないのです。

結局、周囲の勧めで心療内科へ行き、そこで初めて「うつ病」と診断されました。

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その後、半年間に渡り薬の服用とカウンセリングを受け回復。

重症の方だと1年以上かかることもザラにあるそうで、私は比較的軽い方だったようです。

 

労働基準監督署へ

うつ病が回復してきたのと同時に、会社に対する怒りの気持ちが湧いてくるようになりました。

どうして私がこんな目に?

居ても立ってもいられなくなり、とにかく行動に移すことにしました。

 

とりあえず、国の機関である労働基準監督署へ。

本来ならば、会社の所在地を管轄する労基署へ行くのが一番良いのですが、私は実家に戻ってきていたため、地元の労基署へ行きました。

ちなみに今はメールでも対応しているため、平日は仕事で出向けないという方も相談可能です。

⇒ 労働基準監督署 情報メール窓口

 

労基署ではまず、会社の現状や残業代未払いについての詳細を説明。

しかし、私は証拠となるものが少なかったため「残業代請求の申請をしても良いが、受理されるのは難しいと思います。」とひと言。

要は、証拠が少ない→残業したことを確実に証明できない→監査に入っても意味がない→最初から不受理にするのが妥当・・・という構図になっているようです。

そして、その時の私はまだ「実名で監査を依頼する」ということに恐れがあり、匿名を希望していたため、とりあえず会社の違法労働を情報提供しただけに留まりました。

 

残業代請求のための証拠

ここで、残業代請求をする際の証拠となるものをまとめてみたいと思います。

・タイムカード

・出勤簿(時間が記入されているもの)

・出退勤時間をメモしたものや日記

・出退勤時間が分かる内容のメール

・業務で使用しているパソコンのログオンとログオフした時間

etc・・・

 

また、正確な残業代を計算するために、以下のものも必要になります。

・給与明細(源泉徴収票)

・就業規則(従業員が10人以下の場合は作成していない会社も)

 

証拠がどれだけあるかで、請求できる金額が大きく変わります。

今回の件で身にしみましたが、タイムカードがないなど管理がずさんな会社は特に、出退勤時間を手帳などにメモしておくことが大事です。

 

弁護士に依頼

労基署へ相談に行ってから数ヶ月が経ちました。

弁護士へ依頼をするという方法もありましたが、多額の費用(着手金、弁護士費用、報酬金)を捻出できるほどの余裕はなく、それは元から選択枠にありませんでした。

 

ちなみに、残業代請求の時効は、発生した日から2年。

それ以降は請求すらできなくなります。

やはりこのまま泣き寝入りか・・・と諦めかけたその時、ある残業代請求のサイトが目に留まりました。

 

『相談料0円着手金0円取れなかったら費用0円 完全成功報酬型』

 

事前費用の負担もないですし、取れなかったら0円って?

えっ?!タダ働き?

そんな都合の良い話はないだろうと、半信半疑で見てみると、どうやら本当らしい・・・。

完全成功報酬型なので、戻ってきた残業代から20%(訴訟になった場合は30%)が報酬として支払われるとのこと。

 

私はとりあえずサイトに掲載されていた5つの弁護士事務所の中から3つ選び、簡単なメールを送ってみました。

1つ目の弁護士事務所からは、「証拠が少ない場合、残業代が戻ってくる見込みは低いと思われます。」とメールで返信があり、

2つ目の弁護士事務所は、返信も何も音沙汰なし、

3つ目の弁護士事務所だけが、メールの翌日わざわざ電話をくださり、詳しく話を聞いてくれました。

 

私の証拠と言えば、退勤時間が分かるメールが十数通程度のみ。

しかし、担当弁護士からは「それも確実な証拠になる可能性があるので、ひとまず送ってください」と言われ、メール画面の写真をUSBに移し送付。

あとは自分の記憶に頼るしか方法はなく、最終的にはそれらを元に残業代が算出されました。

 

残業代請求をする場合、最初に「内容証明」というものを作成し相手側(会社)に郵送します。

支払ってくれるように書面で依頼をするわけですね。

これももちろん弁護士が作成してくれます。

ですが、この書面で支払いに応じるほどブラック企業は素直ではありません(笑)

私にとってもそれは想定内でした。

 

内容証明でダメな場合、通常は労働審判に移ります。

労働審判は、裁判よりも期間が短く、基本的に3回で終わることが決まっており、費用の負担も少なめです。

 

労働審判でダメな場合は、最終的に訴訟になる訳ですが、付加金や遅延金など加算されて金額が増える可能性があるというメリット以外に、長期化(1年以上の場合も)してしまうというデメリットもあります。

 

私は内容証明で支払いを拒否された後、弁護士と相談し「警告文」を郵送してもらいました。

これは「支払いに応じない場合、訴訟を起こします」というもの。

もしこれでダメなら、労働審判を通り越して訴訟を起こすつもりでした。

 

しかし、会社的に“訴訟”を起こされるのはかなりの痛手。

顧問弁護士などを雇っていない場合、多額の費用がかかります。

調べてみたところ、弁護士事務所によっても違いますが、依頼をして解決するまで少なくとも数十万~100万円ほどかかってしまうようです。

その上負けた場合、残業代の支払いがプラスされるわけですから、少額の請求であれば払ってしまった方が得な訳ですね。

また、裁判は情報公開されるため、“違法労働で訴訟を起こされた会社”としてイメージも悪くなります。

 

結局、警告文が功を奏し、弁護士と会社側との具体的な金額交渉が始まりました。

私の持っている証拠は少なかったものの、弁護士はやはりプロですから、会社側に証拠となるようなものを請求し提出させ、最終的にはほぼ予定していた金額を取り戻すことに成功!

弁護士事務所とやりとりを開始してから、支払いが完了されるまで、実質4ヶ月強かかりました。

早ければ2週間~3週間で解決することもあるようですが、それはかなりスムーズに進んだ場合だと思います。

55738-0

 

まとめ

証拠が少ないと分かっていながらも案件を引き受けてくださった弁護士には、本当に感謝しています。

思ったよりも時間がかかってしまいましたが、訴訟を起こすことなく解決してくれて良かったです。

 

もし残業代請求で悩んでいるなら、とりあえずメールしてみてはいかがでしょうか?

今は完全成功報酬型の弁護士事務所も増えていますし、相談は無料のところも多いので、敷居はそんなに高くないと思います。

ブラック企業を絶対に許してはなりません!

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